■“落ちる”ってなぁに?
1980年代前半のコンピュータRPGは、コンピュータRPG風アドベンチャーゲームと言えるテキストRPG(テキストアドベンチャーに対する当時の俗称)から始まっている。時系列で並べると1982年初頭に光栄から発売された『地底探検』(成長要素が無いが5人でパーティを組んで地下に潜っていき、武装やアイテムを所持金で購入して、地底人やゴジラなどの怪獣を倒していくゲーム)、1982年末に光栄から発売された『ドラゴン&プリンセス』(基本はテキストアドベンチャーながら能力値や経験値が存在し、パーティも組めて戦闘シーンは現在でも通用するタクティカルバトルである)の他に同じ光栄の『クフ王の秘密』・『剣と魔法』・『団地妻の誘惑』・『オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?』・『Dungeon』や『聖剣伝説』(COMPAC) ・『パラレルワールド』(エニックス)・『ポイボス』(大名マイコン学院)・『バウントッド』(日本マイコン学院)・1984年に入ってからは、『ザ・ブラックオニキス』(BPS) ・『ぱのらま島』(日本ファルコム)・『テレンガード』(木屋通商)・『夢幻の心臓』(クリスタルソフト)・『ドラゴンスレイヤー』(日本ファルコム)などがある(『ドラゴンスレイヤー』の実体は「インジケーター」と呼ばれる画面右下にある人の形をしたアイコンが左から右に移動している間にプレイヤーが行動する「時間制限のあるターン制」RPGであることからここに記載する)。
1984年後半にアクション要素を含んだRPGである通称アクションRPGが登場する。『カレイジアスペルセウス』(コスモスコンピュータ)や『ハイドライド』(T&E SOFT) などがある。特に『ハイドライド』はそれまでのコンピュータRPGで当たり前だった自由度の高さを捨てて、物語にそって進めるタイプのRPG(俗称「一本道RPG」)を初めて提示したコンピュータRPGである。そして、テレビゲーム『ドラゴンクエスト』以降のスタンダードタイプのRPGとなる。
当時は、アドベンチャーゲーム要素を含んだ作品を除くと、ことコンピュータゲームに関してはアドベンチャーゲームとロールプレイングゲームは命名が逆ではないかとの指摘もしばしばあった。これは、アドベンチャーゲームの方が、運営形態としての「ロールプレイングゲーム」をより忠実に再現していると考えれば、当然といえる(もっとも、
FX
に言うなら『ハイドライド』を含んだ大半の、仮想人物を操作するゲームは等しく(運営形態としての)コンピュータを審判役とするロールプレイングゲームではある)。
日本で『ドラゴンクエスト』型のコンピュータRPGが主流になって以降、ドラマ・演劇要素の流入が強まり(アドベンチャーゲーム的要素の付加とも言うこともできる)、さらにPCエンジンの『天外魔境』シリーズなどによるアニメーション要素や音声などの付加によって臨場感が得られるようになったことで、上のような指摘もされなくなった。これに対し、キャラクタを演じるゲームからキャラクタに感情移入するゲームに遷移したのであって役を演じているのではないとする見方も出ている。この見方には、ドラマ性を追求した結果として謎解きの面白さや展開の自由度が減った、あるいは(MP回復アイテムがほぼ制限なしに入手できる等といった)制限の中で工夫して目的を達成するゲームとしての面白さが損なわれたとする一部ユーザーの不満が背景にあると思われる[要出典]。
携帯ゲーム機のRPGは、DQ・FF等の据置き機用RPGとは若干異なる変遷を辿っている。携帯ゲーム機は家族・家単位で所有される据置き機とは異なり個人所有が前提である。また、携帯性の高さから、他者との対戦やアイテムの交換等に向いているといった特徴がある。一方、プレイステーション以後光ディスクがメディアの主流となった据置き機とは異なり、携帯機では未だ(2006年現在)ROMカートリッジがメディアの中心である。この為、据置き機のようにプリレンダムービーを駆使してのストーリー展開が極めて困難でもある。
こうした携帯ゲーム機の特性を最大限に生かして大ヒットしたのがポケットモンスターシリーズである。ポケモンはDQ型のシステムを基本としながら、仲間となるモンスターを収集・コレクションする事が最大のテーマであり、自分流に作り上げた
FX
を他のプレーヤーと対戦させるという新しい遊びを提示し、大ヒットを記録。携帯ゲームの象徴的シリーズへと成長した。
『ドラゴンクエスト』の登場以降、コンピュータRPGの認知度は一気に跳ね上がった。それ以降もドラゴンクエストシリーズ、ファイナルファンタジーシリーズなど人気ゲームソフトの多くはRPGであり、新ハードが各社から同時に発売されると最も気にされるのが俗にキラータイトルと言われているこれらの人気RPGがどのハードで発売されるかということである。一方、携帯ゲーム機の場合はポケットモンスターを任天堂が抑えている為(株式会社ポケモンは任天堂の子会社)か、過去任天堂から携帯ゲーム機のシェアトップを奪った企業はない。
パソコン・ゲーム機等の性能向上に伴い、アニメーションやサウンドが強化され人間の肉声なども追加されるなど、コンピュータRPGは表現面で急速な進歩を遂げた。さらに、一部の作品では、ドラマ性の強化と相まって映画的な娯楽作品を目指す傾向が強まっている。しかし、先に挙げたように、このような方向性は謎解きの面白さや操作・選択の自由度を減らしゲームの面白さを失わせているとの不満の声もある。
その一方で、ローグライクゲームと呼ばれるダンジョン自動生成型の「終わり無きRPG」に対する根強い人気も見られる。この種のゲームはグラフィックによる表示が難しかった時代の産物であるため、伝統に従って文字だけを使った画面表示であるか、またはそれに類するシンプルな画面表示しか用いないのが普通である。また、特に定まったストーリーは持っていないが、プレイヤーは必要とあらば“貧弱な”画面表示から自由に想像を働かせることができる。あるいは、情景描写などを求めずとも、入手アイテム等を駆使してゴール到達を目指すという「リソース管理運用ゲーム」の一種として十分に遊ぶことができる。
なお、ローグライクゲームはフリーウェアとして提供されているものも多い。ユーザー自身の手によって供給・流通されるという点もまた、いわゆるコンシューマRPG(つまりゲーム専用機で動くコンピュータRPG、多くは一般受けを重視している)に食傷したプレイヤー達には好ましく思えるのかもしれない。
さらに注目すべきなのはインターネットの普及・高速化のおかげで急速にユーザー数を伸ばしているオンライン・ロールプレイングゲーム (MORPG/MMORPG) である。これらのゲームでは、同一のフィールドに他のプレイヤーが操るキャラクターが存在し、それぞれが活動する。また常に新しいシナリオがサーバー上に追加されるなど、多様に変化し続ける。既に多くの愛好者を獲得したオンラインRPGがコンピュータRPGの主流に大きな影響を与えることは間違いない。
ゲーム自体の展開ではないが、コンピュータRPGが大ヒット商品となった結果として、そのソフトウェア自体の売り上げだけではなくゲーム内に登場する人物(キャラクター)や物品を題材とするキャラクター商品によっても利益を上げているケースが多くなっている。このような周辺事情もまた新しい展開であると言えよう。
現在、MMORPGや次世代ゲーム機にみられるフルCGの作品が主流になりつつあるコンピュータRPGだが、往年の名作ウィザードリィやウルティマ、RPGの名前を一躍有名にしたドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどの、ファミコン世代(もしくは、それ以前のコンピュータ)作品を指す用語。近年はこういったゲームソフトを見直す傾向が見られる。
声優による演技や細かい表情などが無い当時の空想性の高さや昔ながらの自由度により、何度プレイしても楽しめる秀作が多数存在する。そういったゲームソフトを今一度紐解くことで、プレイレビューや裏技といった話題でWeb上でコミュニティーが形成されたり、情報交換が活発化したりしている。
中には、有名タイトルのシリーズで
FX 取引
が少なかった為、プレミアの付いたソフトも存在しており、中古品がオークションやオンラインショップで高額で取引される程である(ファイアーエムブレム トラキア776など)。有名な作品であれば、ゲームメーカー各社が行っている旧作のダウンロード配信サービス(Wiiのバーチャルコンソール、プレイステーション3のプレイステーションストアなど)や、携帯ゲーム機への移植などが行われている。
なお、近年北米においては日本製RPGを「クラッシックスタイルRPG (classic style RPG)」や「JRPG」(Japanese RPG) と表現するようになっている[1]。海外ではFPSスタイルを根幹に自由度を組み込み、実際にプレイヤーが「ロールプレイング」する本来の意味でのRPGのスタイルを確立している為、その区別の為に用いられていると国内メディアでは考えられている。こういった国産RPGは、海外市場において目覚しい販売実績を満たした作品がほとんどない為[2]、海外では全く浸透していない[3]。そのため国内における「洋ゲー」のように、前述の「JRPG」は、現在では若干蔑称の意味も含む傾向を示しているようである[4]。